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【災害時の医療ケア】アレルギーを持つ子どもたちを守るためにできること
災害時のアレルギー児支援|避難生活で守るべき医療とケア
地震や豪雨などの災害は、突然に私たちの生活を変えてしまいます。
食料、水、電気、医療体制などが制限される中、アレルギー疾患を持つ子どもたちにとっては、特に注意が必要です。
今回は、厚生労働省と日本小児アレルギー学会がまとめた災害時の指針をもとに、避難生活でのケアのポイントを整理します。
- 喘息(ぜんそく)
発作時の吸入薬・ステロイド治療を中断せず、避難先でも継続できるよう準備が必要です。
- アトピー性皮膚炎
水が不足する環境で皮膚を清潔に保ち、炎症悪化を防ぐための工夫を行います。
- 食物アレルギー
避難所で提供される食品に含まれるアレルゲンを確認し、誤食事故を防ぐ取り組みが重要です。
喘息を持つ子どもの避難時対応
避難生活では、埃や湿気、冷気など環境変化によって発作が起きやすくなります。電源が限られる状況でも、次のような工夫が有効です。
- 吸入薬を切らさない
常備薬を防災バッグに入れ、期限を定期的に確認。
- 電源が使えない場合の代替法
紙コップやペットボトルを使い、簡易吸入を行う方法を覚えておく。
- 発作時の段階的処置
吸入→酸素→ステロイドの順に対応できるよう医療スタッフと情報共有。
また、避難所に到着した際には、スタッフに喘息の有無と薬の種類を必ず伝えましょう。薬の管理・共有を徹底することで、発作時の対応がスムーズになります。
アトピー性皮膚炎:水が使えない環境でのスキンケア
清潔な水が不足する避難所では、皮膚トラブルが悪化しやすくなります。かゆみ・乾燥・感染を防ぐためのポイントは次の通りです。
- 保湿剤を携帯
避難バッグにワセリンや保湿クリームを常備し、乾燥を防ぐ。
- ウェットティッシュで清拭
入浴できないときは、肌を軽く拭いて汚れを落とす。
- 薬の種類を理解
ステロイド外用薬は強さによって使用部位が異なるため、事前に医師に確認。
また、避難中のストレスや睡眠不足も皮膚炎を悪化させる要因です。なるべく規則正しい生活リズムを保ちましょう。
食物アレルギー:避難所での誤食を防ぐために
災害時は配給される食材が限られ、アレルゲンを含む食品を避けることが難しくなります。
誤食によるアナフィラキシーを防ぐため、以下の点を徹底しましょう。
- 原材料表示を確認
レトルト食品・パン・お菓子など、成分表の確認を欠かさない。
- 避難所スタッフに申告
配膳前に「〇〇アレルギーがあります」と伝えることで、混入を防止。
- アレルギー対応食の備蓄
家庭での備えとして、常温保存できるアレルギー対応食品を準備。
アナフィラキシー症状(呼吸困難、全身のじんましんなど)が出た場合は、速やかにエピペンなどの自己注射を使用し、周囲にも対応を呼びかけましょう。
家族と地域で支えるアレルギーケア
災害時のアレルギー対応は、行政や医療機関だけでなく、家族や地域の理解・協力も欠かせません。
日ごろから周囲と情報を共有し、いざという時にお互いを支え合える関係づくりが大切です。
- 家族内での備え
薬や吸入器、食物アレルギー対応食品を分かりやすくまとめておく。
- 地域での共有
近隣の人にも、子どものアレルギーや対応方法を伝えておく。
- 日常からの意識づけ
アレルギーに関する正しい知識を身につけ、理解を広げる。
Medikenからのメッセージ
医療は日常の安心を支えるものであり、非常時にもその価値は変わりません。
Medikenは、信頼できる医療機器の提供を通して、ご家庭の健康管理をこれからも支えてまいります。
参考資料
(1)厚生労働省「避難所等におけるアレルギー疾患を有する被災者への対応について」
(2)日本小児アレルギー学会「災害時のこどものアレルギー疾患対応マニュアル」
(3)日本小児アレルギー学会「アレルギーのこどものために」啓発ポスター
※本記事の内容は厚生労働省・日本小児アレルギー学会の公開資料に基づき作成しています。
掲載情報は発表時点の内容であり、最新のガイドラインにより変更される場合があります。
